桂米朝「不動坊」

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演目:

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あらすじ

演者はまず、かつての日本では様々な職業が警察の免許制によって制限されていて、芸人には「遊芸稼ぎ人」と書かれた鑑札の発行を受ける義務があった、ということに触れる。

長屋に住む利吉は、真面目に働きコツコツと金をためていた。そんな利吉に感心した家主は、「この長屋にはやもめ(=独身の男)が4人おるが、お前(ま)はんが一番しっかりしとる」と、ある縁談を持ちかける。長屋の裏に住んでいるお滝の夫は講釈師・不動坊火焔であったが、不動坊は巡業中にチビス(=腸チフス)で急死してしまい、診察代や葬式代にかかった35円の借金を残した。お滝は、この35円を立て替えられる人へ縁付きたい、と言っているという。

お滝に惚れていた利吉は喜んで、ふたつ返事で承諾し、その晩に祝言を挙げよう、と決める。利吉は「男前上げて来な(=来ないと)いかん」と、いそいそと銭湯に行く。利吉は銭湯であれこれと結婚後のことを思って妄想にふけっているうち、相長屋のやもめ仲間、新さん・裕さん・徳さんの悪口を言ってしまう。銭湯には、折悪しく徳さんが居合わせていた。

怒りと嫉妬が収まらない徳さんは、裕さん、新さんを呼んで復讐を企てる。不動坊の知人で隣村に住む講釈師・軽田道斎をけしかけ、道斎を不動坊の幽霊に仕立てて利吉とお滝を怖がらせ、破談にしよう、というのだ。

婚礼が終わった夜更けとなったころ、道斎たち4人は準備を整え、長屋の屋根に登る。道斎はサラシを腹にくくり付けて宙吊りになり、利吉の家の窓の前に姿を現すが、利吉は平然としている。「不動坊さん。わたしら恨まれるようなことしてまへんで。それに、あんたが残しはった借金を誰が払(はろ)たと思(おも)てんねん」「ええ……そら聞いてまへんで」「せっかくわざわざ遠い十万億土から来たんや。ここに10円おます(=あります)。回向料やと思うさかい、さっさと往生しなはれ」「10円? ……ううむ、恨めしい」

やり取りの結果、20円で手が打たれたため、徳さんたちはサラシを引き上げるが、サラシは窓のへりに引っかかって切れてしまい、道斎は地面に激突してしまう。

道斎を捕まえた利吉は「おのれは誰や」と尋ねる。「講釈師の軽田道斎でおます」「講釈師やとォ? 講釈師が幽霊の真似さらすんかい」

「へえ、ユウレイ稼ぎ人でおます(「遊芸稼ぎ人」の地口)」

Wikipediaから引用)

ネタうんちく

東京では、最後のシーンにおいて、「回向料」が10円から上がらず、徳さんたちが納得しないでサラシを引き上げず、困った幽霊に向かって主人公が「まだ浮かばれねえ(あるいは、まだ宙に迷ってる)のか」と言うと、幽霊が「いえ、(宙に)ぶら下がっております」とサゲる。3代目柳家小さんの考案といわれる。
東京では登場人物の名や職業が異なる。幽霊に変装するのが講釈師でなく、名のない噺家である場合が多い。